同じ空の下

 こちらへ来てまず思うのは、「空が大きいなぁ」

 晴れた日には、真っ青なお椀をすぽっと被せられたみたいに

 それでも、私の欲は飽くことを知らない

 朽ちかけた木蓮の大木のために前庭の日当たりが悪いのが気になっていた

 幹に大きな穴が空いていて、雪や風で倒れる心配が常にあった

 大きな葉は農作物の生育にも影響するほどの日陰を作り、秋の落葉で用水を詰まらせた

 そんな訳で、家族の同意…というか大賛成を得て、伐採に踏み切った

 腕に覚えのある息子や甥が、力と知恵を持ち寄って完遂してくれた

 おかげで、私の空は更に大きくなった

 樹齢50年以上の、もしかしたら“大先輩”

 人間の都合ばかり言ってごめんなさいね

 でも、大きな空に伴うたっぷりの日差しは、足下でひっそりと伸び悩んでいた小さな草花を一気に元気にしてくれた