日々のあれこれ母の一世紀

 かあちゃんが言ってたもんだ

 「亡くなった者は真っ暗な道を進まなければならないんだ

 でも残った者が仏壇に花を供えると、その道の灯りになって迷わないで歩いていけるんだ

 私のときも、どうか花を供えてくれよ」

 母が中学生のときに亡くなったという祖母の話を聞くことは昔から少なかった

 思い出の少なさのせいか、話すときにいくらか滲む“痛み”のせいか… (関連 喪失の痛み

 春から秋の間には敷地のあちらこちらに花の種や苗を植えて、毎朝水を換えたり新しい花を取って来たりしていたけど、冬にはわざわざ買って来て供えている 先祖のために、そして大好きな父が暗い道で迷わないように

 なるほど…と、納得がいった

 ところで、冒頭の話をしている相手は私ではなく遊びに来ていた友だちで、共に仏壇を守っているという話題の延長だった

 あんなに何度も同じ話を聞かされているのに、この話は初めてだぞ…

 スーパーの花売り場で、冬場に値段が張る花を選んでいる母を見ている私の微妙な表情… 気づいていたのかなぁ 気遣わしかったかなぁ

 ごめんなさい この冬はもっとにこやかに見守ります

どこを見てももう花がないので、神奈川で撮った散歩道の花を

日々のあれこれ

 父から受け継いだネギたちが、Laboで最後の出荷を待っている

 近所を見渡すと、どこのビニールハウスもすっかり片付いて、冬を迎えるべく骨組みばかりになっている

 我が家では、まだしっかり掛かっているビニールが雪に覆われ、溶けて現れて…を繰り返しているこの数週間

 周囲の目には「今年は片付けを怠けてるな…」って写っているかも(汗)

 それでも、ここ数年は根雪になるのは12月の半ば過ぎ

 今年も同じになるのを期待して、12月の初旬で終えるくらいの計算で植え付けてみた

 どうか思惑どおりにいきますように…!

 の足跡 でも書いたように、家族それぞれの思いで受け継がれてきたこのねぎ

 スーパーなどでよく見かける品種とはどうも違う品種に思えて、いろいろ調べてみたらどうやら「わけねぎ」というものらしい

 ブランド名がつくと高値で取り引きされるようだけど、様々な基準をクリアする実力がないので、「ねぎ」または「わけねぎ」の名で送り出している

 とりあえず今年は誰かに「美味しい」って食べてもらうために、あと半月くらい頑張る!

日々のあれこれ

 ネギの畑の隅に、何故か枝豆みたいな豆科の株が1本だけ生えているのを見つけた 暑くなり始めた頃の話

 鳥か何かが運んできたのかな… 珍しくはないこと

 「食べ頃になったらビールのつまみにしよう♪」

 そこで完結するはずだった

 夏の盛り

 そろそろかな…と思って見に行ったら、なんとインゲンとかサーベルとか言われている細長い実が成っていた

 これは天ぷらだな…と思いながら、うっかり忘れてしまった

 涼しくなった頃

 ネギの移植をするために掘り上げに行ったら、豆の鞘はもうカラカラになっていて中には豆が出来ているようだった

 忙しかったのでネギと一緒に抜いてLaboの隅に干しておいた

 「種を取って、来年増やしてみるのもいいな」

 今日、Laboから夏野菜の枝を外に運び出していると、紛れ込んでいた豆の株がたまたま目についた

 危ない…処分するところだった(汗)

 鞘を割ってみたら、なんと赤い粒!

 小豆だったんだ!

 思わず腰を据えて、一粒一粒丁寧に取り出した

 一株だけど、結構な量が取れた

 ネットで餡子の煮方と白玉団子の作り方を調べた

 結局、当初の予定通り今シーズンで完結しそう😊