子どもの頃のこと歳時記

 窓霜(まどしも)といいます

 気温がマイナス10℃までいかなくてもできるようですが、寒ければ寒いほどゴージャスな“作品”が見られます

 子どもの頃から寒い朝の楽しみの一つでした

 子どもの頃住んでいた古い家では、屋内でも水をこぼすと数秒で凍るほど外の冷え込みの影響を受けました

 そんな家でしたから、マイナス20℃にもなれば、目が覚めたときには厚さが1mm以上ありそうな、龍や鳳凰を思わせるような流動的で壮大なレリーフができていました

 昔ながらの格子の多い窓の一つひとつに、デザインの違うアートがびっしりと描かれている様子は圧巻で、水蒸気とか結露などという言葉も仕組みもまだ知らなかった私にとって、何か特別なことが起こっているとしか思えなかったのは無理もないことでした

 その後、周囲からは自然現象なのだと教えられました

 でも、自然や偶然でこんなに素晴らしいものができるなんてどうしても納得できなかった私は、しつこくも、やはり誰かが手を加えているんじゃないかと家族中に聞き回りました

 そんな私をからかいたくなった祖父が「あれはじいちゃんが夜中に彫っておいたんだよ」と言ったのを間に受けて、その後長い間祖父には特別な技術があると信じていたものです

 冬の朝、寒いのは辛いけどついつい窓をチェックします

 今の家も随分古くなっているけど、さすがに断熱材と二重窓は効いているとみえて、できる窓霜も写真のとおり可愛らしいものです

 この日も、車の外気温計では発表された最低気温よりも4℃も低かったんですが

 我が家では無理なようですが、今回“窓霜”と検索してみたら、私が子どもの頃に見たような美しい模様が見られました

 興味のある方は探してみてください

 私も、あの頃に今みたいなツールがあったら、せっせと写真を撮ってUPしたのになぁ…