奇跡のような軌跡,子どもたちのことたどり着いた視点

 いよいよ農地が動き始める

 ビニールハウスの準備があり、姉や姪っ子たちが手伝いに来た

 作業が多いにも関わらず、久しぶりに会ったのでついつい思い出話に花が咲き、昼休憩が長くなってしまう

 私が神奈川へ行って、いつの間にか離婚していて、ちゃっかり実家へ戻って住み始めた経緯なんかは、それまでは具体的に話したことはなく、誰も訊いて来ることなんかなかった

 話し始めるきっかけもなかったし

 そのきっかけがたまたま訪れた

 娘からの電話

 「お父さんのこと吹っ切って、楽になることにした!」

 「これは宣言だから、そこにいるみんなにも聞いてもらいたい」

 知ってはいたけど、大胆な子…

 「お父さんに電話してそう言ったんだけど、相変わらず強がって、軽く『そうか、ありがとう』って言ってたよ」と笑った

 そうか…荷物を下ろした に見せた、私の惨めとも見えた姿がずっとこの子の傷になり、悲しみと怒りを縛りつけていたんだな

 あの日、私は一番傷ついた者という特権を手に入れ、大きな荷物を手放せる理由を得たことに夢中になっていた

 私に寄り添ってくれる気持ちが強い人ほど、私以上に心を痛めてくれていたんだ

 聞いていた姉たちも、口々に「あのときの怒りは忘れられない」と言って声を詰まらせた

 電話の後、今まで語ることのなかった過去の出来事をいくつか話すことになった

 語り尽くすことなんかはできない

 だって、午後の作業が始められない…

 いっそこのHPを教えちゃおうかとも思ったけど、思いとどまった

 今までみたいに気楽に暴露や愚痴を書けなくなってもなぁ…と

 電話が鳴って の日の出来事にも触れた

 でもこれは、ここで忘れて二度と口にしないって約束した

 子どもたちがそれぞれに折り合いをつけたり、やっとの思いで手放そうとしたりした怒りや憤りを、また手繰り寄せさせるわけにはいかない

北海道では1か月先の風景です

子どもたちのことたどり着いた視点

 子どもたちが小さかった頃に、こんな題名の絵本があって、一緒に読みました

 朝一番に起きて、太陽が沈むのと一緒に眠ってしまうオンドリが、夜というものを知りたくて、いろいろな動物にこんな言葉できいてまわるお話です

 「歌うもの」「物騒なもの」

 それぞれの答えの中に「祈るもの」と答えた動物がいました  蝶のサナギだったかな…

 私もこれだなぁ…と、思いました

 夜は祈るものです

 「明日の朝、ちゃんと目が覚めますように」

 目が覚めて、起き上がることができたら、守ろうと決めたものを守る力が、まだあるってことだから

キンセイマルの花は、今年も順調に花芽を付けています

子どもたちのことたどり着いた視点

 数日前の夜、息子は遅い時間に仕事から戻り、シャワーを浴び、夕食を食べた後に出かけて行った

 こんな遅い時間なのに…と思ったが、黙って送り出した

 息子は高校1年生の春、1つ年下の、親しく付き合っていた後輩を事故で亡くした

 それから毎年、誰が言うともなく、その日に仲間が集まることにしているらしい

 もう15年も経ったのか…

 通夜と告別式に参列した息子は、つぶやいたのだった

 「俺、親より先には絶対死ねないな」

 ご両親の嘆く姿は、無鉄砲な若者たちに、さまざまな思いを投げかけたのだろう

 「久しぶりに、まともなことを言ったな」 そっと思った

 そして、私も思うことにした 不満や要望は尽きないけど、「生きているんだから、いいや」

 もう、15年も使ってきたのか…

 要望は尽きない

 夕食要らないんだったら、早めに連絡してよ!

 不満は尽きない

 洗濯物を出すときはさぁ…! 💢💢💢

 ここで、登場

 「生きているんだから、まあ、いいや」

トキワツユクサ  ツユクサにも、いくつか種類があるんですね