日々のあれこれ

 このブログを開設して一年が経ちました。

 当初から、週末に一度の更新ペースでしたが、昨年の今頃は、その度に頭を抱えていました。

 「画面がイメージ通りに配置できない!」

 「この画像、消したはずなのになんで残ってるの?」

 カタカナの用語にも泣かされました。

 「サイドバー?」「ウィジェット?」「カラム??」

 つまずくたびに、ひと様が上げてくれている情報を探して解決したり、分かった気になって、あれこれといじっているうちにかえっておかしくなって落ち込んだり…。

 これまでの知識が役に立たない土俵で試行錯誤するのは久しぶりでした。なんとも言えない不安感と、解決できたときのワクワクは、どちらも新鮮でした。

 最近覚えて悦に入っているのは、文中にリンクを貼ること…。

 まだ、そんなレベルです(汗)。

 若手のお笑い芸人さんが言っています。

 「やれば、できる!」

 上手にできるとは限りません。

 大成功をおさめられるのは世の中の一部の人でしょうし。

 やらなかったよりも、ほんの少しのプラスがあれば、それは「やったからできたこと」だと満足していいはずなのです。

 「よく分からないけど、思い立ったから始めてみよう。」

 一年前の思いつきは、各駅停車のスピードで継続に変わっていきました。

 本来の目的である、「定年後の楽しみ」になるまで、果たして続けていけるのかな…。

子どもたちのこと2004年エッセイ集より

 子どもが三人もいると、頼み事をしやすい子が一人はいるものだ。我が家の場合、それは長男。

 長女のように言葉巧みに逃げる器用さもなく、末の息子のように頼りなくもない。

 そうやって「お願い」を重ねているうちに、いつの間にかいろいろなことを覚えて、「困ったときに頼りになる奴」に育ってくれた。

 中でも特に進んで手伝ってくれるのはカレー作り。

 「堂々と刃物が使えるから。」とは、それらしい理由だが、実はそれだけではない。

 その日も、大きめに切った肉を炒めるとき、さりげないアイコンタクトを取り合いながら長男がガスコンロの前に立った。

 程よく肉に焦げ目がつき、いい匂いが立ち込めた頃に、私はそっと箸を手渡そうとした。いつもの、“つまみ食い”用の…。

 すると、その日は何も言わずに首を横に振り、ニヤッとしながらポケットからつまようじを取り出した。そしてそれで、おそらく炒めながら目星をつけておいたのであろう、中でも大きめの一切れを突き刺し、パクっと頬張った。

 熱さでしばらくあふあふしていたが、そのうちに、その顔はみるみる笑顔になる。私が目で「おいしい?」と合図を送ると、笑顔のまま首を大きく縦に振る。私もまた、この瞬間を毎回楽しみにしているのだ。

 カレーを作るたびに、台所でこんなやり取りがあることを他の二人は知らない。ときには損な役回りを引き受けてもらっている感謝の印として、ささやかな秘密を共有する楽しみがあってもいい。

 それにしても、つまようじ持参とは、要領が良くなったものだ。

 お人好しで「イヤ」と言うのが苦手。

 生きるのに不器用なのではと心配したが、決してそうではないかもしれない。

エッセイ集「これはきっとあなたの記憶」(2004年)より

*加筆しました

頼んだら、張り切って描いてくれました。本の挿し絵になるとは思ってもみなかったことでしょう。そして、今でも知りません…

日々のあれこれ

 今朝、何かがリセットされた

 日曜日だというのに、6時半に目が覚めた

 ベランダに飛んできていた枯れ葉を片付けた

 土曜日の恒例行事にしている掃除を、早い時間に終わらせた

 シーツを洗って一番陽の当たる場所に干した

 観葉植物に水をたっぷりとやった

 昨日の新聞の、別刷りに載ったパズルを解いた

 昨日は二度と繰り返したくない一日だった

 半日以上を病院で過ごした

 全くの予定外

 孫に会いに行く約束も果たせなかった

 健康診断に引っかかって、義務を果たす感覚で向かった再検査

 30分で終わるはずだった

 近所のクリニックで受けたが、思わしくない結果が出て大きな病院へとハシゴした

 2時間以上待って、血を採ったあと、機器を使う検査を2つも予約した

 来週と、もう一つは11月

 長い間拘束されるようで気が重くなった

 でも、ホントのところは自業自得

 週末のアルコールが美味しすぎて、ついついと量が増えた

 胆嚢の不調が続いて、医師から「取るという方法もありますよ」と言われたのに、上手に付き合っていけるからと取り合わなかった

 そんなおめでたい生活の副産物に違いない

 せっかくの週末なのに、自分のしたいことが全く出来ずに日が傾いていった

 もったいない一日だったと思うほどに落ち込んでくる

 何かのせいにしたくなる

 これが“不成就日”の実力なのか…

 こんな時って、できなかったこと、しなければならないことを数えてしまう

 早起きができたことに気を良くして、昨日の積み残しを次々とこなしていく

 どれも、それほど時間がかかることではないので、もつれた毛糸がほどけるように時間の流れが整っていく。

 今日は“一粒万倍日”らしいし!

 ちょっとしたことがきっかけで、「さあ、ここからはじまるぞ」と思えることがある

 こんな感覚、子どもの頃によくあったなぁと思う

 夏休みの初日

 カーテンを開けると雪景色だった朝

 風がひんやりして、枯れ葉の匂いがする朝もそうだった

 緊急事態宣言の解除で華やぐ街や店の報道を横目で見ながら、私の生活スタイルは、ハジケない方向にシフトしていく必要があるのだと、晴れやかな秋空を眺めながら覚悟した

ルコウソウは、可憐な野の花ですね。北海道では種をまいて世話をしても、うまく育ちませんでした。