遠い日の「想い」
「お母さんのことを一番分かっているのは、お姉ちゃんかもしれないけど、おれが一番、お母さんのことを“想って”いるんだよ。」
長男が、小学校の高学年のある日、私と長女の会話に入ってきて、こう主張しました。
そのときは、長女と女同士の共感で、「さすが、分かってくれているんだね。」などという会話をしていたと思います。
そんな姿に、やきもちを妬いたのかもしれません。
はて…。私は、こんな“大告白”に、何と返したのだったか…。
とうに成人し、毎日、仕事に明け暮れている長男も、こんなときがあったことなど忘れてしまっているでしょう。
あの日の健気な“想い”もまた、心の中で、優先順位の下の方に埋もれているに違いありません。
それでも昨日、雪予報を警戒して、朝、職場まで送り届けてくれました。
「帰りは公共交通機関で…。」と、覚悟していたのに、退勤時間を合わせて、迎えに来てくれました。