奇跡のような軌跡,子どもたちのことたどり着いた視点

 いよいよ農地が動き始める

 ビニールハウスの準備があり、姉や姪っ子たちが手伝いに来た

 作業が多いにも関わらず、久しぶりに会ったのでついつい思い出話に花が咲き、昼休憩が長くなってしまう

 私が神奈川へ行って、いつの間にか離婚していて、ちゃっかり実家へ戻って住み始めた経緯なんかは、それまでは具体的に話したことはなく、誰も訊いて来ることなんかなかった

 話し始めるきっかけもなかったし

 そのきっかけがたまたま訪れた

 娘からの電話

 「お父さんのこと吹っ切って、楽になることにした!」

 「これは宣言だから、そこにいるみんなにも聞いてもらいたい」

 知ってはいたけど、大胆な子…

 「お父さんに電話してそう言ったんだけど、相変わらず強がって、軽く『そうか、ありがとう』って言ってたよ」と笑った

 そうか…荷物を下ろした に見せた、私の惨めとも見えた姿がずっとこの子の傷になり、悲しみと怒りを縛りつけていたんだな

 あの日、私は一番傷ついた者という特権を手に入れ、大きな荷物を手放せる理由を得たことに夢中になっていた

 私に寄り添ってくれる気持ちが強い人ほど、私以上に心を痛めてくれていたんだ

 聞いていた姉たちも、口々に「あのときの怒りは忘れられない」と言って声を詰まらせた

 電話の後、今まで語ることのなかった過去の出来事をいくつか話すことになった

 語り尽くすことなんかはできない

 だって、午後の作業が始められない…

 いっそこのHPを教えちゃおうかとも思ったけど、思いとどまった

 今までみたいに気楽に暴露や愚痴を書けなくなってもなぁ…と

 電話が鳴って の日の出来事にも触れた

 でもこれは、ここで忘れて二度と口にしないって約束した

 子どもたちがそれぞれに折り合いをつけたり、やっとの思いで手放そうとしたりした怒りや憤りを、また手繰り寄せさせるわけにはいかない

北海道では1か月先の風景です

日々のあれこれたどり着いた視点

 次は自分の番かな…と思って聞いているけど、その人の話はなかなか終わらない

 終わったのかな…と思って、自分の考えを言おうとしたら、なんとまだ続きがあった!

 言い足したいことがあるのかなと思って聞いていたら、なんとさっきと同じ内容をもう一度くり返しているだけ…!

 私のリアクションが薄すぎて、理解していないと思われてるのかな?

 はたまた、一度聞いただけじゃ理解しきれないおばかさんだと思われているのかもしれない!

 そんな誤解は解いておかなくちゃ…と、理解していることをアピールする術を考えている最中、別の誰かが話し始める

 前の人が話し終わる前に被せてくるからタイミングなんか図れない

 そうやって、“聞くだけの私”が出来上がっていく

 「他人の話は最後まで聞きなさい」という、いつの頃からの教えを守っているだけなんだけどなぁ

 話す権利のバトンは、私の目の前を行ったり来たり…

 wwwの隅っこのこんなに辺鄙なところまで来て、毎度毎度の拙文を読んでくださっている辛抱強い方たちなら、こんな経験はよくあることなのではないでしょうか

 世の中は「発信した者勝ち」で、「言葉のキャッチボール」なんて死語になりそうな勢いです

 共感してくださる方は、以前の投稿のこちらも是非どうぞ→自分のことを話しすぎ

冷え込んだ数日前の朝、車のフロントガラスが小花散らし模様になっていました!

日々のあれこれたどり着いた視点

 あのとき、甥にLINEで送ったメッセージ

 「きっといい時が巡ってくるよ」

 お米農家が冷遇され続けて何十年…ってときだったので、何の根拠もなかったけど、ただ甥を励ましたかった

道のりを思う 参照してください

 ここで、その「いい時」が来た!

 私が戻って来たこのタイミングで…

 無責任発言の帳尻を、無理矢理合わせてもらったみたいで苦笑いしちゃうけど

 スーパーの棚の価格表示を見て、苦々しい思いをしている人が多いだろうと思う

 それでもやっと報われた人たちがいることも知ってほしい

 今年の私は、汗にもドロにも塗れながら、一からその成長を願って、見守ってきた

 これだけの努力が報われなかった秋が何年も続いていたなんて考えられない

 やっと、それに見合う見返りを手にした忍耐強い生産者たちを、どうか恨めしく思わないでください

畑で元気なのは、白菜だけになりました