同じ空の下歳時記

 冬に身を寄せる場所

 やっとここに戻って来た

個人の部屋のものなので、かなり小さいサイズですが

 雪国で生まれ育った人には当たり前の場所

 知らず知らずに擦り寄って行って、背中や手を温める

 関東で冬を過ごしていた間、我が家の暖房はオイルヒーターがメインで、ときどきエアコンも使った

 家の中は常に肌寒くて、衣類を重ね着してその季節が過ぎ去るのをひたすら待った

 炬燵に入るともちろん暖かかったけれど、かーっ!と熱くて色からも暖かさを実感できるこれがずっと恋しかった

 築50年になろうかという我が家では、排気は煙突から出ていく(写真左上)

 FF式のように、風がごぉーっと吹き出ないのもいい

 燃え上がっている炎に身を寄せて、「あったかいなぁ」ってチラチラと動く様子を見つめる

 エルキュール・ポアロが冬にロンドン郊外やイギリス北部の屋敷に招待され、赤々と燃える暖炉の前の椅子に腰を下ろし、冷たくなった指先を暖める

 毎夜のイギリス旅行 でこんな光景を読むたびに、身を寄せる暖房のない心細さに不満や違和感を感じたものだった

 暖炉のような風情はないけど、こんな頼もしい相棒がいれば「今日の最高気温はマイナス5℃」って言われたって、楽に乗り切れそうな気がしている

同じ空の下,子どもの頃のこと歳時記

 最近の投稿は季節ものばかりで、その中心は寒さについて

 載せる写真といったら白がメインのモノクロばかり

 自然物だらけの窓の外にはそれしかないんだからしょうがない

 でも、そろそろ飽きて来たぞ…

 子どもの頃は雪遊びが好きだったから、「今日は何をしようかな…」って、迷うくらいやりたいことがあった

 除雪でできた山でスキーやソリ滑りをした

 雪像やかまくらも作った

 雪合戦をするのに基地を作って、味方同士で作戦を立てたのはワクワクした

 同じ“一面真っ白”を眺めながら、こうも心境が変わるとは…

 子どもってすごいんだな

 神奈川に住んでいた頃の投稿 色を見つけた日

 あの頃は、休みの日というと近隣を散歩して、自分の知っているのとは違う冬を満喫していた

 椿や山茶花が咲いていたから、紅もあったし、緑だってもう少し鮮やかだった

 ちょっと恋しいなぁ

 そんなとき受け取った激励

 西の空に 冬至色 が迫る頃、東の大雪連峰が焦がれていた色に染まっていた

 「ときどきこんなサービスもするから、頑張って乗り切って」って

日々のあれこれ歳時記

 夕暮れ凍え 冬至色

 いつの頃からか、頭の中で作っていた言葉です

 高校生の頃、冬休みの課題だった俳句の一部として初めて文字に表されました

 ただ、誰にも理解されませんでした

 そんな言葉はないんだから、しょうがありません

 冬至色とは写真のような夕焼けの色です

 でも、いくつかの条件が付きます

 空が晴れて放射冷却が起こり、気温はマイナス10℃以下で肌がピリピリしていなければなりません

 冬至の頃なので、4時前後の日没から30分後 つまり、時刻が4時半頃でなければなりません

 こんなに早い時間に夜を迎え始め、しかもその夜が冷え込むと分かっている

 これから始まる寒さの厳しい長い冬を前に心細さが募る

 でも、そんな弱気な心のどこかで覚悟を決めています

 大丈夫 こういうのは知っている 越えられる

知っている も、どうぞ

 この体感で、この気持ちで見つめた夕焼けが冬至色なのです

 やっぱり、伝わらないかなぁ…

 ちなみに写真のこの日は、四日月と金星のコラボが凍える夕暮れに彩を添えてくれました