子どもたちを三人とも連れてこちらへ来ると決めたことは、周囲には当然、無茶と思われていました。
中学生と、小学生が二人。
義務教育中とはいえ、経済的負担は大きいと覚悟しなければなりませんでした。
「昔から、こうと決めたら譲らない子だから。」
という諦めと、
「お前だったら、何とかするんだろうから。」
という両親の信頼に後押しされて、危うげな一歩を踏み出しました。
そうは言っても、私は「三人の子どもを育てよう。」と決心したわけではないのです。
あったのは、
「この三人と生きていきたいな。」
「毎日の生活の中に、この三人がいてほしいな。」
という願いだけでした。
「育てる」「育て上げる」なんて立派なことはできそうになかったけれど、いつも一緒にいてお互いを支え合えたら、どんなに心強いだろうと思えたのです。
幸い、私が就いた仕事は、四人で生活するのに十分な収入になりました。贅沢はできませんが、毎日のおやつや夕食後のアイスクリームを楽しみにできるような生活は保証してあげられました。
今は、巣立った者、手元に残っている者と様々です。
みんな、自分の意思で身の振り方を決めて、生活する場所を選びました。
離れて暮らす者もそうでない者も、苦しいとき、不安なときを、身を寄せ合って乗り切った大切な仲間として、いつでも幸せを願っています。