迷わず手放したもの

アルバムを断捨離

 1つ目に開けた包みに入っていたのは、私が子どもの頃の古いものから、子どもたちが生まれる直前までのアルバム4〜5冊でした。

 そこで、私は最初の決断をしました。

 中学生以降の写真は全部捨てよう。

 撮られ慣れていなかった学生時代の私たちはぎこちなく、おまけに使い捨てカメラの画質の悪いこと…。こんなものを律儀にアルバムにまで貼って取っておいた私って…。

 まさしく、この断捨離のテーマである、

「私が突然死んでしまったときに、残された者に迷惑をかけたくない。」

という基準に真っ先に引っ掛かるものでした。

 とりあえず、このまま処分するに相応しい駄作の数々を、恥入りながらひと通り眺めました。

「こんなの遺されたら、苦笑いだろうなぁ…。」

 結婚前後の写真も例外ではありませんでした。

 若い両親が仲良く写っている写真を、センチメンタルな気分で眺めたい子などいないだろうと、さっさと判断して1枚も残さないことに決めました。

 おそらく、子どもたちが一度も見たことのない、そして今後も見る必要がない、いや、見ないで欲しい写真たち…。処分を決めたのが遅すぎたくらいです。

 最初に決めた計画通り、“1週間に1冊ずつ、一般ゴミと一緒に出す”ことを考えると、

「この1ヶ月間は絶対に死ねないな」と、心から思ったのでした。


 引っ越しの慌ただしい中とはいえ、アルバムが古い順にまとめられていて、包に番号が振ってあったのは幸いでした。

「私、偉かった!」と思いました。

 こうして、過去から現在に向かって、大切な瞬間を思い出す旅、不要なものを切り捨てる旅が始まりました。

アルバムを断捨離

Posted by nanaefree