身を寄せる
冬に身を寄せる場所
やっとここに戻って来た

雪国で生まれ育った人には当たり前の場所
知らず知らずに擦り寄って行って、背中や手を温める
関東で冬を過ごしていた間、我が家の暖房はオイルヒーターがメインで、ときどきエアコンも使った
家の中は常に肌寒くて、衣類を重ね着してその季節が過ぎ去るのをひたすら待った
炬燵に入るともちろん暖かかったけれど、かーっ!と熱くて色からも暖かさを実感できるこれがずっと恋しかった
築50年になろうかという我が家では、排気は煙突から出ていく(写真左上)
FF式のように、風がごぉーっと吹き出ないのもいい
燃え上がっている炎に身を寄せて、「あったかいなぁ」ってチラチラと動く様子を見つめる
エルキュール・ポアロが冬にロンドン郊外やイギリス北部の屋敷に招待され、赤々と燃える暖炉の前の椅子に腰を下ろし、冷たくなった指先を暖める
毎夜のイギリス旅行 でこんな光景を読むたびに、身を寄せる暖房のない心細さに不満や違和感を感じたものだった
暖炉のような風情はないけど、こんな頼もしい相棒がいれば「今日の最高気温はマイナス5℃」って言われたって、楽に乗り切れそうな気がしている