水没事件
朝目覚めて、まず家の前の花畑を眺めるルーティン
その日はそこが“水田”になっていた!

起きたばかりで、一体何が起こっているのか理解するのに時間がかかった
どうやら、奥の田んぼの水が溢れて、手前の畑に流れ込んできたらしい
昨年から植え付けていた芝桜やマツバトウダイ(右手前)
ビニールハウスの中に植えたトマトやきゅうりの苗
芽が出揃いつつあったほうれん草をはじめとした葉物野菜、等々…
頭の中で次々にバツがついていき、遂に真っ白になった
いっそ泣きたいんだけど、いい年だしそんなことにもならない
そこへいつもの作業のために甥っ子が到着した
多分半泣きの顔で畑を指差し、声も出せずに口をパクパクさせている私を見てすぐに全てを察したようだった
畑になってからずいぶん経っているところなので、水が溜まっても排水する経路がない
そこで、用水から水を汲み上げるポンプを運んできて、近くの田んぼに流すように道を作ってくれた
心ここにあらずで過ごした午前中…
昼近くなったら水が大分引いた

落ち着いてきたら、「植物だし、このくらいは乗り越えられるんじゃないかな」と思えてきた
午後は後ろ髪を引かれながら出勤
近所に住む幼馴染みのお兄ちゃん(60代)が心配して電話をくれた
夕方近くなって甥っ子からLINEが入った


写真とともに、「どうやら無事のようだよ」
近所のお兄ちゃんもこの頃に見に来て「病気がつかなきゃいいけどな」って、ホッとしたように帰って行ったらしい
一週間経って、芝桜もマツバトウダイも花盛りを迎えた
今のところは野菜も順調に育っている

ああ、私は今、強くて優しいものたちに囲まれているんだな