日々のあれこれ歳時記

 夕暮れ凍え 冬至色

 いつの頃からか、頭の中で作っていた言葉です

 高校生の頃、冬休みの課題だった俳句の一部として初めて文字に表されました

 ただ、誰にも理解されませんでした

 そんな言葉はないんだから、しょうがありません

 冬至色とは写真のような夕焼けの色です

 でも、いくつかの条件が付きます

 空が晴れて放射冷却が起こり、気温はマイナス10℃以下で肌がピリピリしていなければなりません

 冬至の頃なので、4時前後の日没から30分後 つまり、時刻が4時半頃でなければなりません

 こんなに早い時間に夜を迎え始め、しかもその夜が冷え込むと分かっている

 これから始まる寒さの厳しい長い冬を前に心細さが募る

 でも、そんな弱気な心のどこかで覚悟を決めています

 大丈夫 こういうのは知っている 越えられる

知っている も、どうぞ

 この体感で、この気持ちで見つめた夕焼けが冬至色なのです

 やっぱり、伝わらないかなぁ…

 ちなみに写真のこの日は、四日月と金星のコラボが凍える夕暮れに彩を添えてくれました

同じ空の下,日々のあれこれ歳時記

手前は、除雪でできた雪山です 結構な高さになりました

 水平線でも山の稜線でもなく、今年の初日の出は霧の奥からぼぉっと現れました

 こんな風に光り出す前の白い円が見えたときに気づいて、慌てて外へ出て写真を撮ったのですが、発表の最低気温がマイナス16℃の朝です 一瞬で手がかじかんで、堪能したり祈ったりする余裕もなく、ものの30秒で家の中に駆け込みました

 太平洋側とは違い冬の晴天が少ないこの地で、こんな形でも元旦に太陽が見られたのは嬉しいことです

 父が動けなくなってからここまでの5〜6年は、神棚の掃除やしめ縄の新調も満足に出来ずにいたようです

 久しぶりにリフレッシュした神仏にこれなら文句はないでしょうと今年の安全祈願をしました

 母は昨夜の紅白の氷川きよしさんが素晴らしかったとニコニコしています

 2025年がゆるりと始まりました

子どもの頃のこと歳時記

 窓霜(まどしも)といいます

 気温がマイナス10℃までいかなくてもできるようですが、寒ければ寒いほどゴージャスな“作品”が見られます

 子どもの頃から寒い朝の楽しみの一つでした

 子どもの頃住んでいた古い家では、屋内でも水をこぼすと数秒で凍るほど外の冷え込みの影響を受けました

 そんな家でしたから、マイナス20℃にもなれば、目が覚めたときには厚さが1mm以上ありそうな、龍や鳳凰を思わせるような流動的で壮大なレリーフができていました

 昔ながらの格子の多い窓の一つひとつに、デザインの違うアートがびっしりと描かれている様子は圧巻で、水蒸気とか結露などという言葉も仕組みもまだ知らなかった私にとって、何か特別なことが起こっているとしか思えなかったのは無理もないことでした

 その後、周囲からは自然現象なのだと教えられました

 でも、自然や偶然でこんなに素晴らしいものができるなんてどうしても納得できなかった私は、しつこくも、やはり誰かが手を加えているんじゃないかと家族中に聞き回りました

 そんな私をからかいたくなった祖父が「あれはじいちゃんが夜中に彫っておいたんだよ」と言ったのを間に受けて、その後長い間祖父には特別な技術があると信じていたものです

 冬の朝、寒いのは辛いけどついつい窓をチェックします

 今の家も随分古くなっているけど、さすがに断熱材と二重窓は効いているとみえて、できる窓霜も写真のとおり可愛らしいものです

 この日も、車の外気温計では発表された最低気温よりも4℃も低かったんですが

 我が家では無理なようですが、今回“窓霜”と検索してみたら、私が子どもの頃に見たような美しい模様が見られました

 興味のある方は探してみてください

 私も、あの頃に今みたいなツールがあったら、せっせと写真を撮ってUPしたのになぁ…