日々のあれこれ歳時記

 先日、“ここへ戻って来て一周年”を迎えた

 一年前は「来年の今頃はどんな気持ちでいるかなぁ」と不安だったものだけど、毎日の少し不便な生活がすっかり板についてしまったのは、生まれてから20年も住んでいた環境への安心感からに違いない

 向こうにいる間もしばしばここにいた頃を思い出しては文にして、懐かしんだり焦がれたりしていたんだし (こぶし−曽祖母との思い出−をはじめとした、“子どものころのこと”というカテゴリーもよろしければどうぞ)

 5年日記って思っていた以上に頼りになる

 昨年と一昨年の暮らしぶりのあまりの違いを横目で見ながら、昨年の記録を参考にそこから数日間の計画を立てる

 子どもの頃に畑として使っていた記憶があるのに、甥っ子の手が回らないためにガラクタ置き場や草ぼうぼうになっていた場所がいくつかあった

 昨年の秋から片付けや雑草の処理などの手入れをしたので、この春からは自由にできる土地が増えた

 今年は昨年よりももっといろいろな野菜を育てられるかな

 コキアやコスモスの花畑も、配置を変えてもっと見栄えを良くしたいなぁ…

 少しだけ積み重なった経験を心の支えに、「失敗してもどうせ初心者なんだし」と開き直りながら、わくわくの2巡目迎える

同じ空の下歳時記

 暦には「雨水」

 確か昨年のこの頃に、このタイトルで投稿したような… (雨水

 あまりにも住む環境が変わったので、気温のことや、雨だの雪だのと比べてもしょうがない

 だからこそ、共通点を見つけるとホッとする

 日の出がずいぶん早くなった

 日没は一番早かった4時少し前だったときから1時間以上遅くなった

 やっぱり、空は繋がっているんだな…

 しかも、北の地方ほど夏至と冬至の太陽の出ている時間の差が大きいので、春分の日が近づくこの頃は、短かった明るい時間を大慌てで取り戻しているように日の出が早まっていく 日没はどんどん遅くなる

 この加速する日々が嬉しくて、南の地方に対してちょっとだけ優越を感じてしまうのは私だけだろうなぁ…

雪の結晶が撮れました 私の腕ではこれが精一杯です

同じ空の下歳時記

 冬に身を寄せる場所

 やっとここに戻って来た

個人の部屋のものなので、かなり小さいサイズですが

 雪国で生まれ育った人には当たり前の場所

 知らず知らずに擦り寄って行って、背中や手を温める

 関東で冬を過ごしていた間、我が家の暖房はオイルヒーターがメインで、ときどきエアコンも使った

 家の中は常に肌寒くて、衣類を重ね着してその季節が過ぎ去るのをひたすら待った

 炬燵に入るともちろん暖かかったけれど、かーっ!と熱くて色からも暖かさを実感できるこれがずっと恋しかった

 築50年になろうかという我が家では、排気は煙突から出ていく(写真左上)

 FF式のように、風がごぉーっと吹き出ないのもいい

 燃え上がっている炎に身を寄せて、「あったかいなぁ」ってチラチラと動く様子を見つめる

 エルキュール・ポアロが冬にロンドン郊外やイギリス北部の屋敷に招待され、赤々と燃える暖炉の前の椅子に腰を下ろし、冷たくなった指先を暖める

 毎夜のイギリス旅行 でこんな光景を読むたびに、身を寄せる暖房のない心細さに不満や違和感を感じたものだった

 暖炉のような風情はないけど、こんな頼もしい相棒がいれば「今日の最高気温はマイナス5℃」って言われたって、楽に乗り切れそうな気がしている