日々のあれこれたどり着いた視点

 一般ごみの日は、出勤のついでではなく、少し早い時間に出しに行きます

 ゴミ袋の口は、結ばずに

 玄関を出て、家の前の通路を歩きながら、落ちているごみを拾います

 「お菓子が食べるのに夢中だったんだねぇ でもこのごみは、あなたが大人になったときの世界を汚すんだよ」

 「自分の汗や垢のついたシート、他人に拾われるのって、どんな気持ち?」

 なんてことを、呟きながら

 もちろん、相手は仮想の誰か

 共用の玄関ホールでは、散乱しているチラシを拾って袋に詰め込みます

 入れる方が悪いのか、いらないからと、落ちても放置する方が悪いのか…

 「これは、ポスティングした業者への当てつけかな?」

 間違いなく、伝わってないけど

 “ ごみも拾えない人は、幸せなんか拾えない”

 どこで見たのだったか忘れましたが、大きく共感した言葉です

 こういう人たちは、もういいや

 それでも、なんやかんやで生きていくのでしょう

 未来の幸運を願ってあげる義理はないのです

 私にとって大切なのは、これだけです

 我が子たちは、幸せを拾える人でありますように

 孫たちにも、その幸せが流れ込んで行きますように

(共感してくださった方は、こちらもどうぞ こちら側の私たち

子どもたちのこと

 昨夜9時頃、息子はずぶ濡れになって帰ってきた

 当然、下着まで濡れて、車のシートにタオルを敷いて運転してきたらしい

 昼過ぎに風雨が強くなり、建築途中の建物の屋根の覆いが飛ばされたため、暴風雨にさらされながら、何時間も屋根の上で補修作業をしていたのだという

 空腹もさることながら、冷え切った体を温めたいと風呂場へ駆け込んだ

 出てきた頃に、ちょうど夕食が出来上がり、温かいものを食べさせることができた

 夜、雨と風の音に何度か目が覚めた

 家の中は温かくて、乾いていて、浸水の心配もきっとない

 私たちは無事に朝を迎えられるはず

 安心して、再び目を閉じる

 こんなこと、子どもたちが小さい頃によく思ったよなぁ(関連 削り氷

 子離れしない私は、やっぱり変わっていないんだなぁ

そろそろですね

同じ空の下母の一世紀

 父さん、どうする?

 母さんは、父さんの願いをすっかり叶えたけど

 ここ数年の間に、何度か聞かされた、母の思い出話

 嫁いできて間もないある日

 その日の仕事を終えて帰ろうとしたとき、父さんが物置小屋の陰で手招きしていた

 何かと思って行ってみると、突然抱きしめられた

 俺にはもう、お前しかいない

 祖父母がいて、舅も姑もいて、亡くなった前妻の子どもまでいる家

 子育てを手伝ってもらっていた身内まで、あれこれと理由をつけて去っていった

 こんな家に来てくれるのは、きっとお前が最後だ

 俺に不満があるなら、いつだって出ていってもいい

 でも、家族への不満なら、どうか辛抱してほしい

 この言葉を支えに、長い年月を乗り越えてきたという(関連

 四人の年長者を送り終えたときには、とうに還暦を過ぎていた

 一歳から育ててきた姉までも、先に送ることになった( 関連 勝手に使命感

 母さんは、あの日の約束を全部守ったよ

 そんな母さんに、父さんは何をしてあげられるの?

 ちゃっかり、自分まで送ってもらっちゃって…

 母の思い出話は続く

 父さんは、本当に優しかった

 穏やかで、考えが深くて、困った人はみんな父さんに相談に来たんだよ

 みんなが、父さんを立派な人だって言ってくれて、誇らしかった

 父さんをおいて、私が先にいくことにならなくて、本当に良かった

 そうか

 お返しは、ずいぶん前から、少しずつしてあったんだね

2回目の登場 父が大好きだった木です