色のついた夢

奇跡のような軌跡

 「夢のお告げ」というようなものを、そこそこ信じています。

 これまでで一番感謝している夢は、大きなヘビが何匹も、次々に鎌首をもたげて、うねりながらこちらへ這って、近づいて来るというものでした。

 金運が上がるかな…と、喜んだのを覚えています。

 こちらに越そうと決心する前後のことで、不安だらけだった私に、根拠のない自信を与えてくれました。

 その後のことは、以前書いた通りです。(一緒に生きようと)

 思春期を迎えた息子の生活ぶりが荒れて、途方に暮れていた時には、真っ青な海に息子が沈んでいく夢を見ました。

 「危ない」「やめなさい」と必死で訴えている私の言葉も聞かずに、海に浮かんだ真っ白な流氷の上に立った息子は、氷の割れ目から一瞬のうちに沈んでいきました。

 激しく動揺しながらも、私は心のどこかで、きっと自分で這い上がって来ると信じていました。

 粋がって着ていた分厚い服が、次々に脱ぎ捨てられて、青い水面に浮いて来ました。最後にざばぁっと浮び上がった息子の手を掴んで、グイと引き上げ、温かい毛布をかけたところで目が覚めました。

 その日を境に…とはいいませんが、子どもの反抗期ですから、気づくと治まっていました。

 「信じていれば、いずれ…」と、思わせてくれた夢でした。同時に、助けを求められたら、絶対に手を掴もうと決意した夢でもあります。

 人生の節目に見るこうした夢は、決まって色鮮やかで、目が覚めても忘れることなく強く心に残っています。そして、何度も励まされてきました。

 振り返ってみると、私の色つきの夢は「お告げ」や未来予想などではなく、自分の決意を表しているのかなとも思えてきます。

 もうすぐ、2022年を迎えます。一度で良いから、富士山の初夢を見たいものだと思っています。

来春は、遠出ができますように

奇跡のような軌跡

Posted by nanaefree