娘が高校生だったある日、友だちに頼まれて貸したスポーツウェアを、長い間返してもらえないと怒っていました
その友だちは私もよく知っていて、何かの事情で忘れているんじゃない?と軽く受け止めていました
数日後、娘は怒りながら泣いていました
友だちに「返して」と連絡したら、「そんなことのために、何度もしつこく連絡してこないで!」と逆ギレされたとのことでした
「もう、返してもらわなくていい」「ついでに、このまま縁を切る」
身勝手な相手の一面に気づきながら、それと折り合いをつけて付き合ってきたのですから、いい機会だったのかもしれません
それでも、「どうして、他人から借りたものなのに、返さなくてもいいと思う人がいるのかな」と泣いている娘を元気づけるにはどうしたものかと、必死で考えました
絞り出した言葉が、
「私は、返さないで平気でいる子の親でなく、返してもらえないで泣いている子の親で良かったよ」
ハッとしたように顔を上げ、安心したようにうなづいた娘を見て、この時の正解はこれだったのかなと思えました
娘は、これから大きくなっていく可愛い孫たちに、友だちや関わる相手には、誠意をもって接するんだよと教えていくでしょう