知っている
寒い朝、自分に言い聞かせる
「大丈夫、この寒さは 知っている」
空気がキンと冷えて、吐息が真っ白になって顔にまとわりつく
「でも、大丈夫 ほら、吐いた息はマフラーに凍りついていない」
零度前後の、肌がピリピリする感じ
「でも、大丈夫 瞬きしても、すぐに目を開けられる」
足下で霜柱がザクザク音を立てる
「でも、平気 こんなに晴れているのに、空気がキラキラしていない」
背中を丸めちゃだめ
肩をいからせちゃだめ
このくらいの寒さなら、楽に越えてきたよね
北海道育ちという、訳の分からないプライドで、十分に寒い毎日を乗り越えるために、おまじないを唱え続ける
来年は、吐いた息がマフラーに凍りつく、瞬きをすると下瞼にくっつきそうな、晴れた朝に空気がキラキラする冬を、越えることになりそうです
背中を丸めず、肩をいからせることなく、穏やかな気持ちで越えられるかな…(不安)