たたみかた

日々のあれこれたどり着いた視点

 最近、「収納術」という言葉をよく耳にします。

 発想に感心してしまうアイデア製品や技術、見た目に可愛らしい小物など。

 自分で暮らしをコントロールして形づくるわけですから、毎日が楽しく、活力も湧いてきそうです。

 でも、この歳になると、思考は真っ直ぐそこへは向かいません。

「工夫しないと収まり切らないほどの物は持ちたくないな。」

 居間を見回します。

 殺風景でもないし、無駄な物が置かれていないとも言えませんが、気が向いたときには棚にも机にも必要な物が置けます。

 YouTubeを見て、いきなりストレッチをしようと思い立ったときに、寝転んで手足を伸ばしても困らない床スペースもあります。

 多いわけではない収納家具の中も平均して余裕があります。

 これらは、私が以前「物に振り回されない暮らしがしたい。」と強く願った時期があったことが影響しています。※

「呼ぶ声」参照

さらにそれに加えて、最近は、「そろそろ人生のたたみ方を考えておこうか。」という思いを、少しずつもち始めたのです。

 自分がいなくなった後、何人かの人の心には、良い思い出として残るのもいいな。

 でも、物理的にはできるだけ痕跡を残さないように、自然に溶け込むように消えて行きたいな。

 だとしても、体一つで生きて行くのは難しいから、捨て方や処分の仕方を考えて、物と付き合わなくちゃならないな。

 50代後半。幸い、丈夫で健康。まだ数年は現役で働けそうです。

 こんなことを考えるのは、定年を迎えてからでも良いのかもしれません。

 でも、頭も体もそこそこに動く今から準備を進めようとしている自分の計画性が、結構気に入っています。